世界の旅ブログ

商品1枚単位からの頻繁な店間移動

2011.06.20

完全買い取りでリピート(追加仕入れ)を行わないしまむらには、当然、高度な在庫管理能力が問われる。同社の在庫回転率は10.5回転(06年2月期)ときわめて良好な水準だ。また販売設定期間内に消化できない場合は、値下げ(マークダウン)して在庫処理をしなければならないが、同社の値下げ率は4.9%(06年2月期)と、一般的なアパレル小売業やGMSの半分以下という低さ。これがしまむらの高収益を陰で支える。それを可能にするのが、商品の頻繁な店間移動である。同社では独自の自社物流システムにより、単品2、3枚、売価3000〜4000円程度の少ロットで店間移動のメリットが十分出る仕組みが構築されている。商品1枚単位の店間移動を実行しているのは、世界中のチェーン企業の中でもしまむらだけだろう。やり方はこんな具合だ。コントローラーが、アイテム別、サイズ・色別に単品管理された各店別のデータを把握しており、一定期間店頭に置いて売れない商品を強制的に売れる確率の高い店に移動する指示を出す。この場合、どの商品をどの店からどの店に、どれくらいの数量、移動すれば良いかをコンピューターが自動計算する。移動先は必ずしも売上の高い店ばかりではない。商品の特性と店の立地・商圏が加味された上で、最適な移動先が決定されていく。またこの店間移動と共に、見切りのタイミングを計って指示するのもコントローラーの仕事だ。各部門、各アイテムによって、たとえば「投入後2週間経って、消化率が30%以下なら自動的に値下げ」などの基準が設けられている。それに従い、コントローラーは各店の単品別消化状況から実際の判断を下していく。こうした売価変更は多くても3回、通常は1、2回でほとんどが捌ける。このように、コントローラーがバイヤーの仕入れた商品を徹底した数値管理のもと、店間移動や見切りなどを駆使し責任を持って売り切ることにより、同社は高回転と売場の鮮度アップを実現しているのである。