材料工学研究連絡委員会が提言した新たな研究機関に対しては、信州大学繊維学部を擁する長野県上田市などが中心になって、上田市に先端繊維技術センターを誘致する期成同盟を結成、徐々に活動を始めている。このセンターは、最先端の技術開発からファッションなどの人間の感性まで幅広く研究するような「次世代の繊維産業に向けた研究機関」であり、日本だけでなく、東アジアの繊維科学・技術センターとしての位置付けも持っているのが特徴だ。ただ、単に一大学の話ではなく、繊維の関係分野を広く含む大型の構想だけに、繊維学会の前会長である北篠舒正長野県短期大学長は、「じっくりと時間をかけて取り組み、きちんとした内容のものにしたい」と拙速を強く戒める。この構想がいつ実現するかは、「若者に夢と情熱を与える土台を残したい」(顧問)という強い希望を、どれほど多くの人が産学の枠を超えて、共有するかにかかっている。